花粉症の人が特定の果物や野菜を食べたときに唇、舌、のどがかゆくなったり、腫れたりする「PFAS(花粉-食物アレルギー症候群/Pollen-food allergy syndrome)」が近年増加しています。

春の花粉症では、ハンノキやシラカンバ花粉症の人が花粉に含まれるアレルゲンとよく似た構造のものを含むリンゴ・モモ・大豆(豆乳)などの食物を摂取してアレルギー反応を起こすことが知られています。

スギ花粉症の人もトマトの摂取でアレルギー反応を起こすことがあります。

症状の出る食物の摂取は避けた方が良いですが、加熱処理されたものやジャムなどの加工食品は摂取できる場合が多いです。

当院で行っているアレルギー検査の標準項目にハンノキとシラカンバは入っていますので(症状がある食物も検査項目をカスタマイズすることで調べることが可能ですが、皮膚プリックテストなどは紹介対応になります)、心当たりのある方は診察時にご相談いただければ幸いです。


<春の花粉と交差反応を示す果物、野菜、ナッツ類の代表例>

スギ花粉(ヒノキ科)→ナス科(トマト)

ハンノキ・シラカンバ・オオバヤシャブシ(カバノキ科)→バラ科(リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、 アーモンド)、セリ科(セロリ、ニンジン)、ナス科(ジャガイモ)、マメ科(大豆(主に豆乳)、ピーナッツ))、マタタビ科(キウイフルーツ)、カバノキ科(ヘーゼルナッツ)、シシトウガラシなど

(鈴木慎太郎/正木克宣編・解いて学ぶ!「おとな」の食物アレルギー、サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社HPを参照・抜粋)

日本橋浜町耳鼻咽喉科