生後間もないお子さんから受診していただくことができます。小さなお子さんははなの中が狭いため、ちょっとはなみずがたまっただけでも眠りが浅くなったりすることがよくあります。はな処置だけで楽になることも多いので、お気兼ねなく受診していただければ幸いです。
お子さんが診察前にリラックスできるようにキッズスペースを設置しています。(現在休止中)発熱時などにお待ちいただけるスペースを用意して 、院内感染予防にも配慮しています。他にベビーカー置場やバリアフリートイレ内におむつ交換台を設置しています。
中耳炎の経過が目で見て分かるように、できるだけ鼓膜の写真を撮影して保存するようにしています。患部の状態を目で見て納得していただくことは、皆様の治療に対するモチベーション向上に繋がると思いますし、逆に私達にとってもより正確な診断が可能になりますので、抗菌薬の乱用などを避けることができます。
当院周辺には、仕事に子育てに忙しい保護者の方が大勢いらっしゃいます。お子さんの病気を治すことが最優先ではありますが、保護者の方のニーズも考慮して一緒に地域のお子さん達の健全育成に貢献できるようにお手伝いをさせていただきたいと考えております。
みみとはなをつなぐ耳管を通して、はなから鼓膜の奥の中耳腔(鼓膜の内側にある空間)に細菌やウイルスが入り、急性の炎症が起きる疾患です。お子さんの耳管は大人に比べて太く短い上に水平に近いので、はなやのどの細菌やウイルスが容易にみみに入ってしまいます。
みみの痛み、発熱、みみだれが急性中耳炎の主な症状ですが、小さなお子さんの場合は言葉で痛みを訴えられずに、機嫌が悪い、しきりにみみを触っていることをきっかけとして発見されることがあります。黄色いはなみずが続いている場合は注意が必要です。急性中耳炎の診断は鼓膜所見が大切ですので、当院では鼓膜を顕微鏡や内視鏡を使って詳細に観察し、保護者の方にも患部の状態を目で見てご理解いただけるように心がけています。
軽症の場合は、自然回復を期待して解熱鎮痛薬などを処方して数日間経過を観察します。経過観察しても改善に乏しい場合や中等症以上の場合は、抗菌薬を処方します。経過によっては鼓膜切開術(鼓膜を少しだけ切って膿を出す治療)を併用します。
近年抗菌薬に抵抗力を持った薬剤耐性菌による急性中耳炎が問題になっています。薬の自己中断が原因になることがありますので、当院や薬局での服薬指導をしっかり守っていただくことが大切です。
鼓膜の奥の中耳腔(鼓膜の内側にある空間)に液体(滲出液)がたまる疾患です。みみとはなをつなぐ耳管の機能が悪くなると中耳腔の換気が障害され、中耳の分泌物が排泄されにくくなります。
副鼻腔炎やアデノイド増殖症があると滲出性中耳炎になりやすくなることもよく知られています。みみの痛みを伴わず、お子さんが自ら難聴を訴えることは難しいため、長期間見過ごされることがあります。
小児期の難聴は、言語発達にも影響を及ぼしますので注意が必要です。滲出性中耳炎は自然に良くなることが期待できる疾患ですので、通常3か月間は手術をせずに経過を観察します。この間も副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎を合併している場合は、それらに対する適切な治療を行います。
また鼓膜を顕微鏡や内視鏡を使って詳細に観察し、病的な変化が現れないかを確認します。鼓膜の所見は毎回画像ファイリングシステムに記録して保護者の方にも経過をご理解いただけるように心がけています。3か月以上たっても改善しない場合は、鼓膜チューブ留置術を検討します。アデノイド増殖症がある場合は、アデノイド切除術を同時に行うことをおすすめします。
»「アレルギー性鼻炎・花粉症」詳細はこちらをご覧ください。
ネバネバした黄色いはなみずが続いている場合は、副鼻腔炎を考えます。のどの方にまわるはなみずが多くなると湿った咳の原因にもなります。小児副鼻腔炎の治療は内服治療とはなの局所処置が中心で、手術はほとんど行いません。
当院では従来使用されている小児吸引用オリーブ管の他にシリコンゴムでできた細長い吸引管を採用し、お子さんのはなみずを安全にしっかり奥まで吸引するように心がけています。