授乳中の花粉症治療について
花粉症症状を訴えて来院される方が増えてきましたが、育児中のお母さん方から授乳中の薬剤について相談を受けることがあります。
中には「毎年花粉症がひどいけど、授乳をしているので薬を使わずにじっと我慢しています」という方もいらっしゃいます。
確かに授乳中に内服した薬剤は母体血液から母乳中に移行しますが、多くの場合で赤ちゃんの身体に吸収される薬剤の量が非常に少ないため、影響はほとんどないとされています。
授乳中における薬剤の選択にあたっては、Medication and Mother’s Milk 2014の評価基準を参考にしています。
L1:クラリチン®︎
L2:ザイザル®︎、アレグラ®︎、ジルテック®︎、デザレックス®︎
上記カテゴリーに含まれる薬剤は、乳児への有害報告がなく、リスクがほとんどないとされているものです。
クラリチン®︎とアレグラ®︎は、国立成育医療研究センターの妊娠と薬情報センターによって作成された「安全に使用できると思われる薬」のリストにも含まれており、大分県「母乳と薬剤」研究会によって作成された「母乳とくすりハンドブック」においても「◎」(多くの授乳婦で研究した結果、安全性が示された薬剤。母乳への移行がないか少量と考えられ乳児に有害作用を及ぼさないと考えられる)に分類されています。
もしどうしても心配であれば、授乳直後に内服されると良いのではないかと思います。
もっと詳しく知りたい方には、以下のページをご覧いただければ幸いです。
国立成育医療研究センター:妊娠と薬情報センター
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html
くすりの適正使用協議会:妊娠・授乳とくすり
https://www.rad-ar.or.jp/use/maternity/
(2019.2.1の記事を改変)