一般耳鼻咽喉科

 耳鼻咽喉科は、人間が人間らしく生きる上で極めて重要な機能である感覚器を主に扱う診療科です。聴覚・嗅覚・味覚・平衡覚などは、生活の質(QOL)と密接に関係していることもあって専門性が高く、新生児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんを診察しています。
 当院では、地域にお住まい・お勤めの皆様の”かかりつけ医”かつ”感覚器のエキスパート”として、科学的根拠(エビデンス)に基づいた質の高い耳鼻咽喉科診療を温かく思いやりの心を持って安全かつクリーンに行います。また、最新の機器を用いた正確・迅速な診断、丁寧でわかりやすい説明を心掛け、さらに薬による治療だけでなく耳鼻咽喉科医のみが行える処置を適切な時期に行います。
 耳・鼻・のどに関する症状でしたら、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

耳の病気

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 耳は「聴覚」と「平衡感覚」を司る重要な感覚器官で、外耳、中耳、内耳の3つの部分で構成されています。耳が障害されると、音が聞こえづらくなったり、身体のバランスが取れなくなるので、生活の質(QOL)が大きく損なわれます。

以下のような症状はご相談ください

  • 耳が痛い
  • 耳がかゆい
  • 耳だれが出る
  • 聞こえにくい
  • 耳がつまった感じがする
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 顔が動きづらい など

代表的な疾患

外耳炎

 耳の穴の皮膚に炎症が生じて、耳のかゆみや痛みが起こる疾患です。ひどくなると耳だれが出ることがあります。軟膏や点耳薬を使うことが多いですが、ひどいときは内服薬を併用します。耳かきなどの刺激が原因になることが多いので。触らないことが大切です。

慢性中耳炎

 以前の中耳炎の影響で鼓膜に穴が開いた状態で、感染を起こすと耳だれが出ます。また鼓膜に穴が開いていると音が伝わりにくくなるので、聞こえが悪くなります。耳だれが出ているときは、顕微鏡で丁寧に耳の中を清掃して洗浄を行い、点耳薬などを処方します。鼓膜の穴を閉じることで難聴と耳だれの改善が期待できる場合は、手術をすすめています。

真珠腫性中耳炎

 鼓膜の一部がくぼみ、真珠のような白いかたまりができた状態です。周囲の骨を破壊しながら進行し、ひどくなるとめまいや顔面神経麻痺、まれに頭蓋内に進展することがあるので、手術(鼓室形成術)が必要になります。

耳管開放症

 耳と鼻をつなぐ耳管が、必要以上に開いたままになる疾患です。耳がつまった感じ、自分の声が大きく聞こえるなどの症状が現れます。体重の急激な減少や妊娠に伴うホルモンバランスの変化などの原因で起こります。体重の増加や出産を待つなど、原因への対応の他に生理食塩水の点鼻や漢方薬などを処方することが多いです。

突発性難聴

 突然発症する難聴で、明らかな原因がないものをいいます。めまいを伴うことがあります。発症から時間が経過してしまうと治りが悪くなるので、おかしいと思ったらできるだけ早めに受診されることをおすすめします。治療は安静とステロイドの内服や点滴治療が中心です。

老人性難聴

 加齢以外に明らかな原因がない難聴です。多くは左右対称に高い音から聞こえにくくなります。純音聴力検査や語音聴力検査(言葉の聞き取りを調べる検査)を行い、中等度以上の難聴を認める場合は、補聴器の使用をおすすめしています。近年の研究では、補聴器を使用することで認知機能や抑うつ機能の改善が得られることが示されています。
 院長は補聴器相談医、補聴器適合判定医の資格を有しておりますので、お気軽にご相談ください。

良性発作性頭位めまい症

 特定の頭の位置で生じるぐるぐる回るめまいが特徴です。めまいの持続は短く、難聴や耳鳴りは伴いません。数日から数週間で自然に良くなることが多い疾患ですが、当院では赤外線CCDカメラを用いて頭位眼振検査などを行い、原因部位を特定した上で理学療法(耳石置換法)を行うことで早く症状が軽減できるように努めています。

メニエール病

 めまい、難聴、耳鳴りが繰り返し起こる疾患です。几帳面な方がなりやすく、ストレスが関与していると言われています。肉体的や精神的な過労、睡眠不足、気圧変化(寒冷前線通過)などが引き金になります。最初は片耳の低い音の聞こえが悪くなりますが、発作を反復するうちに難聴が進行して、反対側にも移行することがあります。生活改善(過労・睡眠不足・ストレスの回避、有酸素運動)と内服治療が治療の中心になります。

前庭神経炎

 耳の奥にある半規管というバランスを感じる場所の機能が低下して強いぐるぐる回るめまいが起こりますが、難聴、耳鳴りは伴いません。稀に前庭神経炎と思われるめまいの中に脳梗塞などの危険なめまいが隠れていることがあります。頭が痛い、呂律が回らない、手足がしびれたり動きにくい、起き上がったり歩くことができないといった症状がある場合は要注意です。

顔面神経麻痺

 顔面の表情筋が麻痺を起こす疾患です。原因不明のBell麻痺が最も多く、次いで大人では耳の帯状疱疹や難聴・めまいを伴うハント症候群、お子さんでは中耳炎が原因となって引き起こされます。
 中等度までの麻痺であればステロイドや抗ウイルス薬の内服治療で改善することが多いですが、高度の麻痺がある場合は点滴治療が必要で、手術を行うこともあります。神経の変性が進む前にできるだけ早く治療を開始することが重要です。

鼻の病気

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 鼻には「呼吸」と「嗅覚」という2つの大きな役割があります。呼吸は鼻がつまっても口で行うことができますが、鼻には吸った空気の加温・加湿のほか、フィルター作用があります。
 鼻呼吸ができずに口呼吸になると、ウイルスや細菌がのどや肺に直接入り込んでしまい、様々な悪影響がもたらされます。
 また、嗅覚は私たちが豊かな日常生活を送る上で欠かせないものです。嗅覚が障害されると生活の質(QOL)は大きく損なわれます。

以下のような症状はご相談ください

  • くしゃみが出る
  • 鼻みずが出る
  • 鼻がつまる
  • 鼻みずがのどに流れる
  • 鼻がかゆい
  • においがわかりにくい
  • 鼻や頬が痛い
  • 鼻血が出る など

代表的な疾患

鼻中隔弯曲症

 鼻の内部を左右に分ける鼻中隔が曲がっていることにより、鼻づまりなどの症状をきたしている疾患です。多くは鼻中隔にある軟骨と骨の発育スピードが異なるために弯曲をきたしますが、外傷が原因になっていることもあります。自覚症状が強い場合は、鼻中隔矯正術を受けられることをおすすめします。

鼻出血

 いわゆる鼻血のことです。鼻の入口付近にあるキーゼルバッハ部位から出ていることが多いですが、後方から出ていることもあります。
 当院では鼻手術用内視鏡とバイポーラという出血部位をピンポイントに止血できる器機を備えておりますので、大抵の出血には対応可能ですが、ごく稀に全身麻酔による止血術を要することがあります。

嗅覚障害

 慢性副鼻腔炎、感冒(かぜ)、アレルギー性鼻炎、外傷、薬剤、神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病)などが原因で起こります。慢性副鼻腔炎の中でも好酸球性副鼻腔炎においては、比較的早い段階で嗅覚障害が出現することが知られています。また神経変性疾患では、主な症状である運動障害や認知症状が出現する前に嗅覚障害を発症することがわかってきました。
 当院では詳細な問診と内視鏡でにおいのセンサーがある嗅裂を観察し、基準嗅力検査、副鼻腔CT(+頭部MRI)を連携施設で受けていただき、的確に原因の鑑別を行います。
 治療は、副鼻腔炎の場合はステロイド点鼻療法、感冒(かぜ)が原因の嗅覚障害の場合は漢方薬の内服が治療の中心となります。

急性副鼻腔炎

 副鼻腔に急性の炎症が起こる疾患です。発症から4週間以内のものをいいますが、多くはかぜをきっかけに発症します。鼻づまりや黄色い鼻みずに加えて顔面の痛みや圧迫感を伴います。
 当院では症状と鼻内所見から重症度を判定して治療を行います。不適切な抗菌薬の使用は薬剤耐性菌の増加を招きますので、軽症の場合はまず抗菌薬を投与せずに自然経過をみます。症状が改善しない場合や中等症以上の場合に抗菌薬を投与します。

慢性副鼻腔炎

 副鼻腔の慢性炎症で、8〜12週間以上症状が持続するものをいいます。細菌感染、鼻・副鼻腔の形態や機能の異常など、様々な要因が複合して発症します。内視鏡やCTで慢性副鼻腔炎と診断された場合は、まず内服治療と鼻処置・ネブライザーなどの局所療法を行います。
 内服治療はマクロライド療法が中心になりますが、症状の改善が乏しい場合は内視鏡下鼻副鼻腔手術を受けられることをおすすめしています。

好酸球性副鼻腔炎

 近年増えている難治性の慢性副鼻腔炎で、2015年より厚生労働省の指定難病に指定されました。副鼻腔の粘膜に著明に好酸球が浸潤していることが特徴で、発症の早期から嗅覚障害をきたします。
 通常成人になってから発症しますが、気管支喘息や解熱鎮痛剤に対するアレルギーのある方は特に治りにくいので注意が必要です。
 治療は内視鏡下鼻副鼻腔手術を行い、術後に鼻洗浄と内服・点鼻治療を行いますが、治療は長期間に及びます。

歯性上顎洞炎

 歯や歯周組織の炎症が上顎洞の粘膜に広がった状態のことです。頬や歯の痛み、悪臭のある鼻みずなどが特徴的な症状です。
 近年では虫歯よりも根管治療が不十分な歯やインプラント治療によるものが増えています。歯科と連携して治療を行います。

副鼻腔真菌症

 副鼻腔に真菌(カビ)が感染して起こる疾患です。真菌が抗原(アレルゲン)として働いて起こる場合もあります(アレルギー性真菌性副鼻腔炎)。ごく稀に急激に眼や頭蓋内に浸潤する組織侵襲型もありますが、多くの場合は内視鏡下鼻副鼻腔手術を行って副鼻腔が十分に換気されれば予後は良好です。

副鼻腔嚢胞

 上顎洞根本手術(以前よく行われていた歯茎を切る手術)後、数年~数十年を経て頬に嚢胞ができて痛みや腫れを引き起こす術後性上顎(頬部)嚢胞が最多です。後部副鼻腔に嚢胞ができると眼症状をきたし、緊急手術の適応になることがあります。

 院長の専門は鼻副鼻腔疾患で、好酸球性副鼻腔炎を中心に数多くの内視鏡下鼻副鼻腔手術を執刀してきました。薬による治療の効果が乏しい、もしくは期待できない場合は、院長が兼任講師を務める昭和大学江東豊洲病院で外来日に検査を行い(手術相談)、場合によっては院長自らが手術・執刀し、術後治療は再び当院で行うことも可能です。もちろん他の病院で手術を受けていただいた場合でも同様に対応します。

のどの病気

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 のどには「食べ物や水分を食道・胃に送り込む」、「空気を肺に届ける」、「声を出す」という3つの役割があります。
 また、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐ機能も備えています。

以下のような症状は遠慮なくご相談ください

  • のどが痛い
  • のどに違和感がある
  • 味がわかりにくい
  • 咳や痰が出る
  • 痰に血が混じる
  • 声がれがある
  • いびきがひどい
  • 飲み込みにくい など

代表的な疾患

急性咽頭・扁桃炎

 ウイルスや細菌によって咽頭・扁桃に炎症が生じた状態で、ひどくなると高熱が出たり、のどの強い痛みにより水分や食事が取りづらくなります。必要に応じて迅速検査(溶連菌・インフルエンザ・アデノウイルス)や内視鏡検査を行い、原因と重症度を迅速かつ的確に診断して治療を行います。
 不適切な抗菌薬の使用は薬剤耐性菌の増加を招きますので、軽症例では自然治癒力を期待して抗菌薬を極力使用せずに対症療法(消炎鎮痛薬、うがい薬、ネブライザーなど)で経過を観察します。中等症以上もしくは対症療法で症状が改善しない場合は、抗菌薬を投与します。
 当院では内服治療だけでなく後述する扁桃周囲膿瘍や急性喉頭蓋炎に進展していなければ点滴治療も積極的に行う方針です。

伝染性単核球症

 EBウイルス感染による扁桃炎でのどの痛み、発熱、首のリンパ節が腫れる疾患です。肝機能が悪くなることが多いため、安静が必要になります。ペニシリン系抗菌薬によって全身に皮疹をきたすことがあるので治療には注意が必要です。

反復性(習慣性)扁桃炎

 年に4回以上、2年間に5〜6回以上急性扁桃炎を繰り返す場合は、口蓋扁桃摘出術を受けられることをおすすめします。他にも扁桃に潜む細菌がIgA腎症や掌蹠膿疱症などの原因になっている場合も手術適応になります。
 手術にあたっては入院が必要になりますが、扁桃炎でお困りの方はお気軽にご相談ください。

扁桃周囲膿瘍

 扁桃炎による炎症が扁桃の周囲にまで広がり(扁桃周囲炎)、膿瘍に進行した状態が扁桃周囲膿瘍です。のどの激しい痛みに加えて口が開けづらくなった場合は要注意です。
 扁桃周囲膿瘍と診断された場合は、点滴治療に加えて切開排膿が必要になりますので、速やかに入院可能な施設に紹介いたします。

口内炎

 口腔の粘膜に起こるびらんや潰瘍を主体とする炎症の総称です。疲労やストレス、ビタミン不足、口の内側を噛んだ時の刺激などが原因で、多くは刺激を取り除いた上で軟膏を患部に塗ることで改善しますが、長引く場合は組織生検などが必要になります。

味覚障害

 問診、舌・口腔所見、血液検査(亜鉛など)、味覚検査(連携施設で電気味覚検査と濾紙ディスク検査を行っていただきます)にて原因を調べます。
 原因別に治療を行いますが、亜鉛欠乏性および特発性(原因不明)味覚障害に対しては亜鉛製剤を投与します。

急性喉頭蓋炎

 のどから入った食べ物や水分が気管に入らないように、声帯の前についている蓋を喉頭蓋といいます。喉頭蓋が炎症を起こして腫れてしまうと、気道をふさいでしまう可能性があり非常に危険です。
 軽症の場合は抗菌薬とステロイドの点滴治療で改善すれば良くなることが多いですが、ひどい場合は気管を切開して一時的に空気の通り道を確保する必要があります。内視鏡を用いて喉頭の所見を確認し、急性喉頭蓋炎と診断された場合は速やかに入院可能な施設に紹介いたします。

声帯の疾患

 声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、喉頭肉芽腫、喉頭癌などがあります。当院では、細径の内視鏡を用いることで鼻腔の狭い方でも痛みなく検査をすることができます。声がれがある方、特に喫煙歴がある方や声を酷使されている方はお気軽にご相談ください。

遷延性・慢性咳嗽(長引く咳)

 咳が3〜8週間続くものは遷延性咳嗽、8週間以上続くものは慢性咳嗽と分類されます。咳喘息、アトピー咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症などが原因になります。咳喘息には吸入ステロイドや気管支拡張薬、アトピー咳嗽には第二世代抗ヒスタミン薬、副鼻腔気管支症候群にはマクロライド系抗菌薬、胃食道逆流症にはプロトンポンプ阻害薬というように原因に応じて治療内容が異なります。長引く咳でお困りの方はお気軽にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群

 睡眠時に呼吸が止まる疾患のことですが、のどの空気の通り道がふさがる閉塞型の睡眠時無呼吸症候群が多くを占めます。成人では肥満、お子さんではアデノイドや扁桃肥大が主な原因とされています。高血圧、虚血性心疾患、脳血管障害のリスクにもなりますので、日中に眠気が生じる、熟睡感が得られない、家族に睡眠中の大きないびきや無呼吸を指摘されるなどに当てはまる方は遠慮なくご相談ください。

漢方薬を積極的に使用

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 反復性中耳炎、耳管開放症、耳鳴、低音障害型感音難聴、めまい、メニエール病、嗅覚障害、感冒(かぜ)、インフルエンザ、反復性(習慣性)扁桃炎、咽喉頭異常感症、咽喉頭逆流症、遷延性咳嗽(長引く咳)などに対して、当院では漢方薬を積極的に使用いたします。