先週の金曜日(5月29日)診療終了後に聖路加国際大学で行われた新型コロナウイルス感染症研修会に出席してきました。

まず保健所の健康推進課から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)陽性判定後のフローについての講演、次いで最前線で奮闘されている聖路加国際病院の呼吸器内科・感染症内科・救急部の4名の医師からCOVID-19の最新の診療についての講演がありました。

同病院のCOVID-19診療の現状、CT画像の特徴、ECMO(体外式膜型人工肺)、各治療薬(レムデシビル、ファビピラビル、ヒドロキシクロロキンなど)の最新情報を得ることができて大変有意義でした。

現在唯一の承認薬であるレムデシビル(ベクルリー®︎)は重症例に使用されていますが、懸念された有害事象である急性腎障害は1.3%と少なく、5日間の点滴治療でも10日間と同様の効果が得られているとのことでした。

ファビピラビル(アビガン®︎)は無症状〜軽症例から使用されていますが、現在進行中の臨床研究の結果→承認が待たれるところです。催奇形性があるため妊婦には使用できません。

某大統領一押しだったヒドロキシクロロキン(プラケニル®︎)は有効性が見られず、特にアジスロマイシンとの併用で不整脈や心停止といった有害事象が多く見られたとのことで、5月26日にWHOが停止を発表しました。

他の薬剤も臨床研究の結果はまだこれからという段階とのことですので、COVID-19に有効かつ安全な治療薬やワクチンの一日でも早い開発を待ちたいところです。

日本橋浜町耳鼻咽喉科